再生和紙の家

この住宅は芦屋市内、旧有馬街道に沿った敷地に計画された。敷地はわずか13坪しかなく非常に難しい挑戦となった。しかしながら私たちはこの小さな家に坪庭を設置することにした。通常、狭小住宅では敷地面積を最大限有効活用するため、このような手段はとらないのだが、テーマは単純な広さを追求することではなかった。それは、奥行きや変化といったものから生み出される“ひろがり”と言うべきものである。

また、敷地周囲を取り囲む隣家により採光が確保されないことを逆手にとった解決策であり、結果的にすべての部屋に自然光を取り込むことができた。

 

内装は壁・天井ともにすべて再生和紙に自然水性塗料を塗って仕上げられている。再生和紙とは私たちの造語であるが、文字通り和紙のような風合いをもつ再生紙のことである。この素材はドイツ製であり、ホルムアルデヒドなど有害な揮発性物質に関する厳しい環境性能基準をクリアした、人体に悪影響を与えることのない素材である。床はコルクで仕上げられている。

 

狭い敷地に中庭を確保するため、いびつとも言える平面形状から建ちあがる空間は、自然光に満たされ、柔らかい素材が住む人をやさしく包み込む。