単なるノスタルジーに浸る古民家再生ではなく、現代の商業施設に求められる「圧倒的な意匠性」「先進の温熱・耐震性能」「厳格な法規(用途変更・消防)のクリア」をすべて高い次元で統合。歴史の記憶を継承しながら、企業の未来を紡ぐ持続可能なビジネス空間へと完全に生まれ変わらせました。
ショールームの核心部となるリビング・ダイニング空間。
古民家が持つダイナミックな骨組みを活かしながら、現代の洗練されたライフスタイルと商用空間に求められる上質さを融合させました。
高天井の吹き抜けから、心地よい光が差し込む開放的なリビング空間です。
【意匠と技術のポイント】
ダイナミックな縦の広がり:既存の立派な梁組と、あたたかみのある琥珀色の天井・壁面が調和し、包み込まれるような安心感と圧倒的なラグジュアリー感を両立させています。
視認できる確かな安全:写真奥に見える白い壁面には、空間の広がりを邪魔しないスリムなステンレス製の筋交いを配置。デザインを一切妥協することなく、現代の耐震基準をクリアする構造補強を施しています。
庭と繋がる大開口:格子越しに外の気配を感じられる大開口は、視線を優しくコントロールしつつ、商用空間としての格調高さを演出します。
ゲストを迎え、深い対話を生み出すための中心的なクオリティを持つダイニングです。
【意匠と技術のポイント】
圧倒的な存在感を放つ一枚板のテーブル:空間の主役となる美しい木目の一枚板テーブルが、非住宅木造としてのアイデンティティを雄弁に物語ります。
モダンな素材のレイヤード:重厚な既存の梁(梁)に対し、キッチン背面にはブルーグレーのシックなタイル、そして洗練されたペンダントライトをコーディネート。和の趣の中に、モダンなインダストリアルテイストを絶妙なバランスで落とし込んでいます。
連続する空間構成:キッチンからはリビング、そしてその奥の和の空間までがワンルームのように見渡せ、ゲストに閉塞感を与えない、極めて伸びやかな動線設計を施しています。
地域に深く根ざしてきた瓦屋根や白漆喰の美しさはそのままに、現代の商業建築としてふさわしい洗練された存在感を創出しました。
建物の下部には、黒の縦格子と焼杉調の腰壁を大胆に配置。
周囲の伝統的な景観に調和しつつも、一目で「洗練された洗練されたクリエイティブな空間」であることが伝わるファサードへと刷新しました。

日が落ちると、格子から漏れる温かみのある暖色の光と、アプローチを照らす間接照明が建物の陰影を美しく浮かび上がらせます。夜の福崎町に幻想的な表情を与え、訪れるゲストを温かく迎え入れるおもてなしのライトアップ計画です。
事業主やドクターが抱く「古い木造は寒い、地震に弱い」という不安。それを完全に払拭するため、構造と温熱環境に新築と同等以上のアップデートを施しています。
古民家特有の「底冷え」を根本から解消するため、床・壁・天井のすべてに隙間なく高性能断熱材を充填しました。
一年を通じてゲストが快適に滞在でき、エネルギー効率にも優れた、現代の非住宅建築として当然のスペックを満たしています。
このプロジェクトは、住宅から商業施設(ショールーム)への「用途変更」を伴う建築でした。非住宅木造における確認申請のハードルや消防法、内装制限といった法規をクリアすることはもちろん、それ以上に「古い木造建築の価値をどうビジネスの価値へ転換するか」が問われました。
古民家が持つ100年の歴史(ヘリテージ)をデザインの強力なフックとしつつ、耐震・断熱という基本性能をしっかりと高める。これが、私たちが提案する「商用アダプティブ・ユース」のコンバージョンです。
新築であれ再生であれ、非住宅木造には特有の難しさがあります。しかし、構造の本質を理解していれば、ここまで自由で、頑丈で、美しいビジネス空間を創り出すことが可能です。土地や既存建物のポテンシャルを最大化し、事業のブランディングに貢献する設計を、これからもご提案してまいります。
平賀敬一郎建築研究所では、クリニック、店舗、オフィス、ショールームなど、非住宅・商業用途の木造建築(新築・リノベーション)において、強固な構造、厳格な法規対応、そして企業のブランド価値を高める意匠設計を一気通貫でご提案いたします。
「所有している古い建物をビジネスに活かしたい」「温かみがあり、かつ洗練された木造の医院を建てたい」など、お客様のビジョンをお聞かせください。