西宮市甲陽園目神山町のなかでも、とりわけすばらしい眺望を確保できる敷地に建つスカンジナビアデザイン(北欧デザイン)のガレージハウス。地下にはポルシェと大型のSUVの2台をじゅうぶんに停めることができるガレージを持つ。
メインのアプローチとなる長さ12メートルのスロープ。2階のエントランスへゆるやかに連なる。
床材は船の甲板にも使われるイペ材を使用。自然に囲まれた立地から、玄関扉を開けるとイノシシがいたことがあるそうだ。
屋根右上に暖炉の煙突が見える。
日が暮れて周囲が暗くなるとさらに自然に溶け込む様子は、先端に近づくほどに軽く、薄く消えゆく葉をもつ周囲の木々にあやかったその造形によるものだろうか。
別角度から見る。南側に大きくせり出したバルコニーが見える。
外壁は杉板貼り。下地は不燃のため土壁としており、現代の木造軸組み工法ではあるが伝統的技術とのハイブリッドな仕様となっている。
直線的な動きのスロープと、ゆるやかに迂回するようコンクリート平板が敷き詰められた1階アプローチの対比。
リビングからの眺望。大阪湾を見下ろすこの景色のために建物の向きは決定されている。
堂々たるメインビューとするため安定感のあるシンメトリー(左右対称)な構成としている。
斜めの木材は、地震力を負担する筋交いとして構造材としての役割も果たすだけでなくデザイン性を高めるよう工夫されている。
この眺望が得られる位置に、その品質の高さで誰もが知るノルウェーのブランド、アイラーセンのソファが置かれている。
暖炉のあるLDK。使用しない夏場でもすっきりと洗練された存在感を放つデザインを採用。
天井は幅4.5センチの板貼り。床はかえでのフローリング。全体的にやさしい色合いの空間に仕上がっている。
キッチン上部の三角のハイサイドライトからは東側を向いており、朝食時に朝日が差し込む。
キッチンは素晴らしい品質を誇るドイツのポーゲンポール製、正面は美しい大理石で仕上げている。オーブンはガゲナウ。
デザイン・機能性を追求した結果、ドイツ製が主となった。
自然に囲まれた環境に似つかわしい暖炉。薪をくべ、ぱちぱちとはじける音と炎のゆらぎを見ているといつしか気持ちがやすらぎ、落ち着きを取り戻すことができる。
独立した柱は、直接手で触れる部分であるので角のない丸柱としている。やさしい手触りが心地よい。床はメープルを採用しているが、1階はオークとしており、階ごとにちがった木の表情を見せる。
モンドリアン調にデザインされた階段手すり。機能とデザインの融合。奥様が大学生の時に美術を専攻しておられ、このようなアイデアに対しても理解を示してくださった。
階段下のスペースはちょっとした物置にも使える。
洗面所と浴室の間はガラスの仕切りとしている。
写真では見えないが洗面ボウルは2つ確保。忙しい朝の時間などは家族で利用するタイミングが重なるので複数設けるのが良いだろう。
アメリカのコーラー社の大きな浴槽はタマゴ型をしており、ゆったりとお湯につかれる。
カウンター下に配された洗濯乾燥機は、ドイツの一流メーカーであるミーレ製を採用。
トイレには、オリジナルでデザインされた洗面台。
透明ガラスとステンレス製の脚で既製品のボウルを支えている。
3帖の和室。上部にはスロープの底面を利用し、和紙調のパネルをはめ込んだ間接照明が見える。沈思黙考・瞑想の空間にもなる。小さくても良いので和室があると様々な用途に使える。
高台の家の完成後、20年を経た姿と大規模リノベーションの様子をレポートしています。
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